一世紀半に迫る歴史を持つモバードは、時計師アシール・ディーテシャイムがラ・ショー・ド・フォンに開いた時計工房から始まった。当初から優れた技術力を発揮すると、1905年にはエスペラント語で”たゆまぬ前進”を意味する「MOVADO」をブランド名に定める。その言葉の通り、クオーツ時計が台頭する1970年代までは、ケース開閉でゼンマイを巻く携帯時計「エルメト」を筆頭に、カーブウオッチや防水時計、自動巻きなどの革新的な機械式時計を開発。1969年にはゼニスとともにエル・プリメロも発表した。こうした優れた技術力は、複数の世界的メゾンにも製品を供給するほどだった。
1947年にネイサン・ジョージ・ホーウィットが手がけたデザインを、1960年代に腕時計として製品化。時間を感覚的にとらえる本機のコンセプトは好評を博した。
現在のブランドのスタンスを決定付けた大定番、「ミュージアム・クラシック」。1960年にニューヨーク近代美術館の永久収蔵品になったデザインをベースにしたシングルドットの文字盤に、悠久なる時の流れを感じる。レザーストラップとブレスレットタイプから選択可だ。
また、大戦後にはアート的なアプローチにも果敢に挑戦。いまなお定番であり続ける「ミュージアムウオッチ」を誕生させる。さらに1980年代からブランドが新たなステージに進むと、アンディ・ウォーホルとのコラボレーションなどで腕時計のアート表現を追求していった。このような稀有な歴史を持つモバードは、いまなお「たゆまぬ前進」を続けている。現行モデルを一度手に取れば、いまに受け継がれる名門の優れた技術力が伝わるはずだ。
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